フロリダ・プロジェクトをDVDでみました。
(ラピュタをみるマメちゃん)
ギリギリネタバレはしていない…はず。
これは絶対映画館で見ようと思っていたのに…。
見逃す確率、最近は8割越えです。
フロリダ・プロジェクトのあらすじ
6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、“世界最大の夢の国”フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーで職なしのヘイリーは厳しい現実に苦しむも、ムーニーから見た世界はいつもキラキラと輝いていて、モーテルで暮らす子供たちと冒険に満ちた楽しい毎日を過ごしている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく———
公式HPからの引用です。
ホームレスの一歩手前にいる親子が主人公。
安モーテルとはいえ、一泊35ドル…高いよ。
とにかく子供たちが悪い悪い!
ピーター・ラビットも悪すぎると思ったけど、
彼らより悪いわ~。
悪すぎて、何しでかすかハラハラ。
ほんとうに大冒険しすぎだよ。
はっきり言っていたずらっ子って嫌いです。
自分が良い子だったから。
でも、どんどんこの子達が愛おしくなっていって
彼女たちの未来を想像して切なくなりました。
映像の美しさ・子供の視点
とっても美しい映画です。
モーテルは薄い紫色…今流行りの
"ゆめかわ”っていうやつですよね?
え、もう流行ってない…?
まあ、とにかくそんな感じの
パステルカラーの映画。
フロリダの青い空!
過酷な現実との対比なのでしょうか。
大人目線だと、汚いゴミだらけの路地裏とか、
そういう物が映るのでしょうけど
この映画は子供の目線から撮影されているようで
世界は美しく映されています。
6歳の子供の目線なんだと思いますけど、
下からなんですよ。
だから頭が切れたていたりとか、
アンバランスな感じがなんかいいよね!
見ているこちらも純粋な気持ちになるのか、
そりゃ仕方ないよね、と普通なら 思うシーンで
えー!なんでー!ひどいー!って
子供みたいに思っちゃったり。
こういうのって嬉しい体験です。
貧困の連鎖
母親も同じような環境で育っていることが
容易に想像できました。
多分もっとひどい環境だったのだろうな。
ムーニーちゃんは今は利発で良い子だけど
(極悪だけどね)教育を受ける機会もなく、
そこそこ見た目も良いから内面磨くような
チャンスにも恵まれず、遊んですごして
気付いたらおばさんになっていて人生詰んだ、
って変な男に依存して殴られながら生きていく…。
もしくは母親みたいに若くして子を産んで
同じようなギリギリの環境で子育てをしていく…
そんな未来しか見えません。
ヘイリー(母)はかなりダメな部類の女だけど、
彼女としては最大に子供を大事にしている。
子供に食い逃げやバッタモンを売りつける事とか、
そんな悪いことを教えたりもするんだけど
それは彼女にとっては生きていく術で
悪い事には入らないんだろうな。
サバイバル術ぐらいの気持ち。
私は子供を利用しないところが
好きだと思った。
子供に感情をぶつけない、
子供に心配をかけまいとする
親としての配慮がちゃんとある。
そういう所がえらいと思った。
私だったらたぶん、あの環境では
そんな事できない。
同じモーテル住まいの似たような環境の
ママ友が出てきます。
ヘイリーよりかなりまとも。
はじめのうちは子供を預けあったりして
助け合って生きているんだけど、
ある事件をきっかけに距離を置かれます。
わかるよ。
善悪の判断ができない子供って怖いよね。
子供だけじゃなくて母までってなったら
もう、付き合わせる訳にいかないと思うよね。
だけど子供は母親といる時間は
やっぱり幸せなんだろうな。
一緒に過ごした浮世離れした
パルテルカラーのこの日々は
ムーニーにとっても、母にとっても
宝物だろうなと思った。
どん底でも、明るく生きる事自体は
素晴らしいよね。(問題は山積みだけど)
こういう体験があれば、いつかムーニーが
つらい目にあった時(たぶん彼女のこれからの
人生とっても過酷な出来事の連続だと思うけど)
なんとか越えていける、そう思いたい。
外からみたらサイテーの母親だけど、
本当は違うってわかる。
せめて、10歳くらいまでは一緒に
過ごさせてあげたかったな。
それ以上はたぶん、ムーニーにとって
あのお母さんは重荷になると思う。
あの母のもとでは自堕落な人生を歩むことに
なるのは火を見るよりも明らかだ。
すべての子供が、両親とは言わないけど、
親と安心して幸せな時間を過ごせる世の中に
なって欲しいと思わせてくれる映画だった。
そして諦める事ばかりを覚えなくていい人生を
送ってほしい。切ない。
監督とか俳優さんの話
モーテルの支配人役のウィレム・デフォーが
ものすごくステキです。優しすぎる~!
とってもいろんな映画に出ているけど、
あまり有名じゃないですかね?
グランド・ブタペスト・ホテルが
私としては一番印象に残っています。
この映画も面白かったですね。
(ウェス・アンダーソン監督、
新作はミュージカルだそうですよ!)
監督のショーン・ベイカーは
実はみてないんですけど、全編iPhoneで
撮影したという「タンジェント」の
監督さん。話題になりましたよね。
これはみなきゃなー!
忘れていたけど…(>_<)
ハッピーエンドをしのぐマジカルエンド…?!
この映画のコピー
”ハッピーエンドさえ凌ぐ
誰も見たことのない
マジカルエンド”
これ、ホント。ハッピーエンドじゃない、
バッドエンドでもない、まさにマジカル!
とっても素敵なラストシーンです。
ネタバレはしませんから、
どうぞ楽しんで観賞してください!!
これは私は見ないで死ねない1本だと思いました。
映画の記事が意外に少ないのは
18禁映画が好きすぎるせいなのか?!