常人の倍香辛料振る方です

四十代の主婦のブログ。夫と二人暮らし、ウサギと3人暮らしの日々をつづります。

思い出のマーニー、原作を読んでみたよ!ネタバレします。

年末年始にDVDでジブリ映画の

思い出のマーニーをみました。

とっても面白かったのですが、

気になることがあったので

原作を読んでみました。

※ネタバレするので、ご注意ください。

思い出のマーニー

 

 

この世には目に見えない魔法の輪がある。

海辺の村の誰も住んでいない湿っ地(しめっち)屋敷。
心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、
青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。

「わたしたちのことは秘密よ、永久に。」

杏奈の身に次々と起こる不思議な出来事。
時を越えた舞踏会。告白の森。崖の上のサイロの夜。
ふたりの少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、
杏奈は思いがけない“まるごとの愛"に包まれていく。

あの入江で、
わたしはあなたを待っている。
永久に―。

あなたのことが大すき。

 

米林宏昌監督がイギリスの名作児童文学を元に、舞台を北海道に置き換え映画化したファンタジー

幼い頃に両親を亡くし、あることがきっかけで心を閉ざしてしまった12歳の少女が、療養のために訪れた海辺の村で経験するひと夏の不思議な出会いを描く。

amazon作品紹介からの引用です。

 

映画、よかったです。

少女の繊細な気持ちの動きが

よく分かるように表現されていて、

少女時代なんてずいぶん昔で

思い出すこともないのに、

なんとなくその頃の心の痛みが

思い起こされるような…。

 

アンナちゃんのような複雑な家庭環境はなく、

友達が出来なかったっていう事もない

普通の子供だったけどそれでもわかるよ、

その気持ち…って思いながら見ました。

 

何年か前にモリコロパークでやっていた

ジブリ大博覧会を見に行ったのですが、

メインの展示がマーニーでした。

 

湿地屋敷のマーニーの部屋や

サイロを再現した展示がすごくて

(実写映画が撮れそうだった)

見なきゃって思っていたのですが

何年もたってやってみる事が出来ました。

 

私が疑問に思ったところ

映画、とっても良くできていると思うんですよ。

原作を読んでみて、よくこの繊細な世界を

舞台を日本に移してここまで…!と。

 

でも物語の中盤、夏祭りで地元の女の子に

親切に話しかけられているのに

(デリカシーのない質問であったとしても)

「太っちょ豚」って言うのはどうかと思いません?

そんな事を言われても無かった事にして

仲良くしてくれようとしてたんですよ。

 

その子。めっちゃいい子じゃない?

そんな子とですらも仲良くできない

っていうエピソードなんでしょうけど。

 

まあ、子供だしそういう事もあるかもしれないけど

文句を言いに母親が来るのは当然でしょう。

 

それをアンナちゃんのおばさん夫婦は

モンペみたいな扱いして、

「気にすんな」って言うんですよ。

おかしくないですか?

 

傷ついているあんなちゃんに

そういう形で寄り添ったのだとしても

何があったの?とか、事情ぐらいは

聞くべきじゃないかね?

と、全体によくできた話だったからこそ、

このエピソードがとても不思議でした。

 

新訳 思い出のマーニー 

 

 

そこで原作を読んでみたのです。

新訳って素晴らしいよね。読みやすい!

けど、映画に寄せてる可能性も?

 

まあ、それは原書が読めない私には

確認のしようがないので仕方ないね。

 

イギリスの児童文学なんですけど、

自然の描写も、心理描写も

すごくよかったです。美しいね!

 

気になるあのシーンも、やっぱり

あんんアンナちゃんがキレても仕方ない感じ

だったし、その後のおばさん夫妻の対応も

あんなふうじゃありませんでした。

 

なんであんなエピソードを作ったのか、

とっても不思議です。 

時間が足りなくてはしょったのなら、

エピソードごとなくせばよかったのに…。

 

アンナちゃんの孤独は、はじめのロンドン

…札幌かな?にいたところのシーンで

じゅうぶん伝わっているよ!

 

このエピソード入れるぐらいなら、

リンジー一家との交流をもう少し

丁寧に描いてくれたらよかったのにな。

と、思っちゃいました。

 

 

実はもう一つ不満

完全にネタバレなので、まだ見てない人は

読み飛ばしてくださいね。

 

それはもう、物語を否定することに

なるんじゃ…と言われそうですけど、

マーニーがアンナのおばあちゃんだったという

結末が実はあまり気に入っていません。

 

アンナとマーニーは赤の他人であってほしかった。

孤独な二人が引き合って惹かれあって、

孤独を癒したんだという話であって

欲しかったです。この物語全否定だよね。

 

小説は、それでも納得したんだけど

私は映画は他人であってほしかったです。

 

惹かれあったのは血縁だからっていう

理由はちょっと寂しい気がしました。

 

これは、ただの私の願望で。

気を悪くしたらすみません。

でもその方が、世の孤独な少年少女には

夢を与える事になりませんかね?

 

夫は、マーニーがおばあちゃんで

すごくスッキリした、と言っていました。

物語に求めるモノの違いですよね。

 

 

ともかく、映画も原作も、大人にも

読みごたえのある素晴らしい作品だと思います。

観て、読んで損はないと思います。